2008/02/01 當山日出夫
牟田さんの発表をうけて、パネル討論になる。
「デジタルアーカイブとデジタル技術の未来を考える」(1)
発言は、牟田さんの他には、鈴木卓治さん(国立歴史民俗博物館)、五島敏芳さん(国文学研究資料館)。
参加者の感想はいろいろだろうが……「アーカイブ」と「デジタル」をどうつなぐかが、今後の重要な課題であると、私は考えた。
私の考えるところとしては、次のレベルを分けなければならないだろう。
1.そもそも「アーカイブ」とはなにか
2.それを「デジタル」化することの意味はなんであるのか
3.はじめから「デジタル」でしか存在しないもの、PDFのようなもの、これはどうすべきか
このような問題については、今後の課題ということになろう。私自身も、今後、考えていきたい。
ついで、上田勝彦さん(大阪電通大)による、
日本字筆跡の変動解析と筆跡個性に関する基礎的検討(第2報)
簡単にいえば、いわゆる「筆跡鑑定」についての工学的なアプローチということになる。文字や筆跡、あるいは、字体・字形・グリフ、ということがらについて、工学的な手法で考えると、こういうふうになるのかなあ……と、思いながらきいていた。
聞きながら思ったこと……昔、学生のころ、古文書学の講義で、現代の人間の書いたものであっても、その筆跡を見て、男性が書いたものか、女性が書いたものか、判断できなければならない……と、先生が言っていたのを思い出す。変動エントロピーによって、書き手の男女差を判別可能なものかどうか、質問してみようかと思っているうちに、時間となってしまった。
文字というものをコンピュータであつかう場合、さまざまな方向からの研究があるものだと、あらためて感じた次第である。
當山日出夫(とうやまひでお)
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