2008/07/18 當山日出夫
この前、ARGカフェで東京に行くとき、京都駅で買ってしまった本。他にバッグの中には、本は用意してあるのだが、ちょっとした時間があると、つい本屋さんに、たちよってしまう。
たまたま目について、手にとったのが、タイトルの本。
この本は、一般の文章術・文章読本・作文技術の本ではない。広告コピーの書き方の指南書とでもいうべきものである。その「はじめに」にまず、こうある。
『文章は書くものではない 読んでもらうものである』
そして、第四部「発想の方法」には、こうある。
『人と同じことを思い 人と違うことを考えよ』
東京駅につくまでの間、読みながら、時折、ページを閉じて、考え込むことしばしであった。この本に書いてあることは、論文やレポートのみならず、パワーポイントでのプレゼンテーションにも、あてはまる。学会発表でも、まず、このような発想が根底に必要ではないのか。いままで、自分は、何をしてきたのだろう……いろいろと、考えてしまった。
たとえば、次のような指摘、
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いい文章ほど書くのは簡単ではありません。難儀なことに、書くこと以上に難しいことがありまして、それは読んでもらうことです。(p.15)
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学会発表などでは、この発表が理解できないやつはバカである、というスタンスをとることも可能である。しかし、もう、そういう時代ではないだろう。より多くの人に、自分の研究内容を分かってもらう(=読んでもらう)、こういう視点にたたなければならない、と痛切に思う。
だからといって、急に、自分のスタイルが変わるわけではない。だが、可能な限り、「読んでもらう」「聞いてもらう」という方向に、自ら変わっていければと、思う。(さて、明日は、どうなるだろう。)
鈴木康之.『名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方』(日経ビジネス人文庫).日本経済新聞.2008
當山日出夫(とうやまひでお)
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