『カラマーゾフの兄弟』(3)光文社古典新訳文庫
2019-01-11


2019-01-11 當山日出夫(とうやまひでお)

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ドストエフスキー.亀山郁夫(訳).『カラマーゾフの兄弟』(3)(光文社古典新訳文庫).2007
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続きである。
やまもも書斎記 2019年1月10日
『カラマーゾフの兄弟』(2)光文社古典新訳文庫
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この巻で描かれるのは、ゾシマ長老の死。そして、「事件」。この「事件」……フョードルの死については、次の第四巻でさらに裁判の場面で、詳細に語られることになる……それよりも印象的なのは、モークロエにおける、ミーチャたちのどんちゃん騒ぎである。

この前、昨年、一昨年になるだろうか……この作品を読んだときは、なんとなく退屈な場面と思って読んでいたのだが、今回読み直してみて、その面白さに気付いた。小説の構成の中では、やはり重要な一場面になる。

だが、それよりも、ここに描かれた、グルーシェニカの描写が魅力的である。

ドストエフスキーの作品を理解する一つの鍵になるのは、登場人物の中で女性のはたす役割にあると主部。この意味において、この巻でのグルーシェニカは重要かもしれない。

『カラマーゾフの兄弟』は、三兄弟……ドミートリー、イワン、アリョーシャ……この三人の人物造形に核心的な部分があるにはちがいないのだが、周辺の登場人物も重要である。例えば、ゾシマ長老など。

しかし、これまで私の読んだときには、女性の描き方まで目が回らなかったと言っていいのかもしれない。今回、亀山郁夫訳で読んでみて、特に、グルーシェニカに注目することになった。

次は、いよいよ第四巻、裁判の場面になる。楽しみに読むことにしよう。

追記 2019-01-12
この続きは、
やまもも書斎記 2019年1月12日
『カラマーゾフの兄弟』(4)光文社古典新訳文庫
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[文学]

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