途中、注釈を読んでもなかなか意味のとりにくいところもある。ただ、古語の知識だけではどうにも理解できない。そのような箇所は、やはりこの物語が、読まれ続けてきた歴史があるからこそ読める、というところなのであろう。読んでいるのは現代の注釈書であるが、しかし、その解釈のなかには、平安の昔からこの物語が読まれ続けてきた歴史というものを感じる。
『源氏物語』が、いつどのような形で現存する五十四帖になったかは不明のようだが、しかし、順番に書かれたということはないであろう。といって、源氏物語三段階成立説というわけでもない。が、少なくとも、現在の巻々の順番に書かれたということはないだろうと思う。いわゆる「雨夜の品定」の箇所など、後になってから書き足したかと感じるし、「帚木」「空蝉」「夕顔」の巻は、やはり「紫上」系のストーリーとは別系統の話しとしてある。
ともあれ、もう『源氏物語』を読んで、それで論文を書こうとは思っていない。ただ、老後の読書の楽しみとして読んでおきたい。本居宣長は「桐壺」から順番にこの物語を読んでいる。そのあとをたどる形で、この物語を読んでおきたいと思う。
追記 2019-02-21
この続きは、
やまもも書斎記 2019年2月21日
『源氏物語』(二)新潮日本古典集成
[URL]
追記 2019-11-25
この本についてはさらに、
やまもも書斎記 2019年11月25日
新潮日本古典集成『源氏物語』(一)
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