『人間失格』太宰治/新潮文庫
2020-12-05


2020-12-05 當山日出夫(とうやまひでお)

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太宰治.『人間失格』(新潮文庫).新潮社.1952(2006.改版)
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続きである。
やまもも書斎記 2020年12月4日
『斜陽』太宰治/新潮文庫
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ひとによって、文学作品の好みはわかれる。この作品が、好きかどうか、ひとそれれぞれだろうと思う。

私の場合、この『人間失格』は、あまり好きな作品ではない。主人公に共感して読むということができない。あまりにも過剰な自意識に辟易するというのが、正直なところといっておきたい。

だが、文学作品の一般論からするならば、この作品は、広く世に読まれる作品である、このことは理解できる。無論、そこには、太宰ならではの語り口の巧さというものがあってのことではあるが。

この新潮文庫が世に出たのは、昭和二七年。太宰の死後、それほどときがたっていないころである。それが、今まで、版を重ねて読み継がれてきたということは、やはり、この作品の人気の証拠といっていいのだろう。

太宰治の作品から何か選ぶとなると、私は、『斜陽』をあげてみたい気がする。が、多くの人は、『人間失格』をあげることになるかもしれない。おそらく、この作品は、近代の日本文学史のなかで、しかるべく評価の定まることのない作品であるのかとも思う。この意味では、太宰治は、いまだに「現代」の作家であり続けていることになる。

2020年11月30日記

追記 2020-12-07
この続きは、
やまもも書斎記 2020年12月7日
『津軽通信』太宰治/新潮文庫
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[文学]

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