2021-04-18 當山日出夫(とうやまひでお)
『おちょやん』第19週「その名も、鶴亀新喜劇や」
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前回は、
やまもも書斎記 2021年4月11日
『おちょやん』あれこれ「うちの原点だす」
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この週で鶴亀新喜劇の誕生ということになった。そのなかに、いくつかの物語がふくまれていた。
第一に、万太郎のこと。
万太郎が、病気で声が出なくなってしまった。その最後の公演を、千之助がてつだうことになる。最後まで笑っていた万太郎が印象的であった。
第二、千之助のこと。
鶴亀新喜劇がスタートしても、千之助はいまひとつ積極的に参加しようとしない。結果的には、旗揚げ公演の成功をみとどけてから、立ち去っていくことになった。その別れのシーンがしみじみと情感があった。
第三に、寛治のこと。
満州に行っていた寛治が帰ってきた。どうやら、満州で、千代の弟のヨシヲと出会ったらしい。ヨシヲから託されたビー玉を持って、どうにかこうにか日本に帰ってきた。その寛治も、新しい鶴亀新喜劇に参加することになった。
だいたい以上の、三つの物語が展開しながら、新たな鶴亀新喜劇の結成、準備、練習、公演と、その姿を描いていた。
それから岡安も、芝居茶屋から、うどん屋に鞍替えして、これはどうにかうまくやっているようである。
また、気になるのは、とどいた花。いったい誰なのだろう。
ともあれ、戦争が終わって、ようやく世の中が落ち着いて、次の世代の新しい時代へと展望がひらけてくるころのことを、描いていた週であったと思う。世相として、戦後の新しい時代である。(ただ、法的にはまだ進駐軍の占領下にあった時代ではあるが。)芝居の世界でも、鶴亀新喜劇の誕生ということで、新しい時代のスタートになった。その一方で、万太郎の死があり、また、千之助も姿を消すことになった。次は、千代や一平の時代ということになるのだろう。
次週、千代と一平の関係について、いろいろとあるらしい。新しい劇団のゆくすえがどうなるか、楽しみに見ることにしよう。
2021年4月17日記
追記 2021-04-25
この続きは、
やまもも書斎記 2021年4月25日
『おちょやん』あれこれ「何でうちやあれへんの?」
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