『青天を衝け』あれこれ「篤太夫、再会する」
2021-09-14


2021-09-14 當山日出夫(とうやまひでお)

『青天を衝け』第26回「篤太夫、再会する」
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前回は、
やまもも書斎記 2021年8月24日
『青天を衝け』あれこれ「篤太夫、帰国する」
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オリンピック、パラリンピックをやっている間に、明治維新がおこり、幕府がなくなってしまった。だが、徳川家康はまだ健在なようだ。

この週は、日本に帰ってきた栄一と、日本にいた人びととの再会のものがたり。印象に残っているのは、次の二人だろうか。

第一には、千代である。

数年の間、幕府につかえ、また、外国に行ってしまうことになった夫の帰りを、一人娘と一緒に千代は待っていた。が、渋沢の家の一員であり、そうかるがるしく、栄一が帰ったからといって、すぐに二人になるというわけにもいかない。

このあたりのどうにももどかしい、屈折した感情を、橋本愛が見事に演じていたように思う。

第二には、慶喜である。

駿府に隠居した慶喜のもとを栄一はおとずれる。ここで興味深かったのは、面会のシーンで座る位置。

これまでだったならば、二人の間は、少なくとも畳一枚の隔てをおいたはずである。それが、この慶喜との面会シーンでは、なかった。もっと近接した距離で会っていた。が、そのために、縁の無い畳をつかうとか、畳と畳の間のところに座ることにになるとか、演出上の工夫があったように見える。

これは、御一新があって、徳川幕府がなくなったということで、もはや、封建的な主従の関係がなくなってしまったということを、表現しようとしていたのだろうとは思う。

最後の将軍というものを、草g剛が、うまく見せていたように感じる。

以上の二つの再会が、この回で印象に残っているところである。

次週以降、いよいよ明治の時代の物語になるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2021年9月13日記

追記 2021年9月21日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年9月21日
『青天を衝け』あれこれ「篤太夫、駿府で励む」
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[テレビ]

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