2023年9月19日 當山日出夫
100分de名著 “シャーロック・ホームズスペシャル” (2)事件の表層と真相
「赤毛組合」「唇のねじれた男」、どちらもホームズでは代表的な作品と言っていいだろう。今日では、ミステリの歴史に残る名作である。
番組を見ていて興味深かったのは、当時のロンドンの街についての解説。当時のロンドンがどんな都市であったのか、そのなかでベーカー街がどのような人びとの街であったのか、これは面白かった。一九世紀おわりのロンドンということで、これまでホームズの作品を読んできたと思うのだが、あまりベーカー街の位置づけまでは考えて見ようとはしなかった。
「赤毛組合」は今日の目で見てもミステリとして秀逸である。不思議な日常生活のなかの謎を発端に、推理が展開する。
「唇のねじれた男」もいい。そこに作者の人間観、あるいは、当時の社会のあり方というものへの考え方が、現れていることになる。こういうところまで描くことが出来ているものを、文学と言うことになる。
文学としてのミステリ、その観点からホームズの作品を読み解いていく、この視点は面白い。
2023年9月12日記
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