2024年1月14日 當山日出夫
歴史探偵 平安京ダークサイド
再放送である。最初の放送は、二〇二一年。さて、このときには、『光る君へ』制作のことは発表になっていただろうか。
平安時代のダークなところをとりあげている。
平安京という都は、設計図としては、長方形に整然としているが、実際には西側の右京の部分が廃れてしまった。原因は、水害である。それを現在の天神川の痕跡に見ることができる。
群盗も跋扈した。平安時代は、暴力的な盗賊が多数いた時代ということになる。平安京の人びとは、貴族をふくめて安穏としていられなかったということになる。どれほどの信憑性があるか疑問もあるが、現在に伝わる馬に乗って弓を射る場面は迫力があった。
『餓鬼草紙』も紹介されていた。このあたりのことは、『今昔物語集』などを読んでも、平安時代の暮らしが実際はどんなものであったか、推測できるところではある。
興味深かったのは、古記録……『中右記』などの公家の日記……に残された、乱暴の数々。さて、平安貴族は暴力的だったのだろうか。死のけがれ、血のけがれということは、実際にどのように生活のなかで意識されていたのだろうか。
平安時代を考えるのに、『源氏物語』や『古今和歌集』などの王朝貴族文学から考えることもできるし、『今昔物語集』のような説話から考えることもできる。歴史学としては、古文書を軸に見る方法もあるし、古記録を中心に見ることもできる。また、ちょっと違った立場としては、漢籍の受容とか、あるいは、仏教史というような視点から見ることもできる。あつかう資料・史料によってどのような平安時代をイメージするか異なってくるだろう。
『光る君へ』では、どのような平安時代を描くことになるだろうか。
2024年1月13日記
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