2024年1月16日 當山日出夫
ドキュメント72時間 琵琶湖畔 あのベンチで
去年のNHKの放送で、「街角イヤホン」というのがあったのを思い出す。そのなかで、京都の鴨川のほとりで座って、音楽を聴いている高齢の男性のことが印象に残っている。元はエンジニアかなにかの仕事をしていたらしい。聞いていたのは、ダ・カーポの「結婚するって本当ですか」だった。鴨川の流れを見ながら、ひとりで音楽を聴いてすごす時間というのがあってもよい。
人間には、どこかでオフになるというか、リセットできるような時間、場所が必要かと思う。琵琶湖畔のベンチで水面を眺めてすごす時間は、ひとそれぞれにあっていいだろう。
そして、その場所は、ひとがそれぞれに自分で見つけることに意味がある。
琵琶湖を眺めていてもいいだろうし、山を眺めていてもいいだろう。あるいは、都市の片隅の喫茶店ということもあるかもしれない。「あのベンチ」は自分で見つけることに価値がある。自分にとっての「あのベンチ」はどこかにあるにちがいない。
おそらくは、この放送をきっかけにして、多くのひとが彦根に行くことになるのかもしれない。強いていえば、この番組にも功罪はある。
2024年1月13日記
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