2024年4月25日 當山日出夫
時をかけるテレビ なぜ隣人を殺したか〓ルワンダ虐殺と煽動ラジオ放送〓
ルワンダの内戦のこと、ツチとフツの対立、殺戮のことは、記憶にあることである。
番組の意図としては、ラジオというメディアのはたした役割、ということになる。テレビも新聞もない地域で、ラジオだけが、人びとに情報を伝えていた。そのラジオの煽動によって、人びとは虐殺にはしった。
たしかにこれは、今日の問題でもある。池上彰は、SNSのフェイクニュースなどのことを言っていたが、実は、事態はもっと深刻な状況にあるといっていいかもしれない。ハイブリッド戦争ということがいわれるようになった現代、すでに日常のなかに戦争が入りこんできている。日本のなかで宣伝工作活動(ちょっとことばは古いが)にかかわるSNSは、多くあるといってよい。もちろん、そこにはAI技術も使われていくことになる。
実感としていえることは、SNSにおいて一方的な意見が拡散するかたわら、それを打ち消す反対の意見も、少なからずある。このバランスを見ていくしかないということぐらいだろうか。
私は、X/Twitterは、一〇数年以上アカウントを持っているが、ここ一〇年ぐらいフォローを増やしていない。自分の気に入る意見のアカウントをフォローすることをしていってもいいかもしれないのだが、あえて、そのままにしている。自分とは異なる意見を主張するアカウントも眼に入るようにしている。
少なくとも、今のところ、一方的な情報だけで埋まるということは起こっていないとは思っている。
最近になって、特定の偏った意見については、反論のメッセージが出るようにはなってきた。ないよりマシという程度であるが、これも、今後、AIの利用で事実に基づかないフェイクニュースをチェックできるようになる(かもしれない、と思うが、どうだろうか。)
それから、私は、今ではRTを基本的にしない。
それにしても、当時のルワンダのラジオ放送の音声が録音されて残っているということも驚きの一つである。
ルワンダの現在はどうなっているのだろうか。アフリカでは、経済発展を遂げることのできた国の一つということだと思うが、かつての内戦と虐殺の経験は、今にどのように残っているのか。このあたりのことについて、その後のルワンダということで考える番組などあればと思う。
2024年4月24日記
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