2024年7月19日 當山日出夫
時をかけるテレビ かあちゃんは好敵手 棋士・藤沢秀行と妻モト
見ていて印象に残ったのは、藤沢秀行が自分の家で棋譜を見ながら碁を打っている場面。非常に甲高い音で碁石を打ち付けていた。普通、あんなに大きな音をたてて碁を打たないだろうと思うのだが。気迫というか、エネルギーを感じるシーンだった。
今から二〇年ほど前の番組であるが、この時代には、このような生き方をする人がいて、それを番組に作ることができたのだなあ、ということを感じる。今では、もしこのような人物、家庭があったとしても、はたしてこのような放送が可能だろうか。
無頼派ということばも、今ではもう死語になってしまったかと思う。
しかし、見ていてなんとなくこういうのも人間の生き方としてあるのだな、人間というのはこういうものなんだなあ、と感じるところがある。
番組の最後に仏壇が映っていた。「無明居士」とあったのが、藤沢秀行の戒名ということだと思うのだが、いかにもふさわしい。
2024年7月18日記
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