戦争遺産島「猿島 東京湾の要塞島」
2024-08-23


2024年8月23日 當山日出夫

戦争遺産島 猿島 東京湾の要塞島

毎年、八月は、戦争関係の番組が多く放送される。そのかなりは、録画してあって順番に見ていっているのだが、この「戦争遺産島」は、地味だが面白い。目のつけどことがいい。特に悲惨な場面とか、戦闘の映像記録とかが出てくるわけではなく、今に残る離島の遺跡をたずねるだけのことなのだが、そこに、日本の近代、特に、軍事の歴史を見ることができる。

猿島のことは、何か他の番組で見たことがあるかと記憶するのだが、はっきりとは憶えていない。

幕末の開国のころから、東京湾の防備のための砲台が必要ということは、理解できる。それが、船舶を対象としたものから、航空機、爆撃機を対象としたものへの変化していったということも、軍事の歴史を考えれば納得できることである。

B29の開発は、確かマンハッタン計画以上の国家プロジェクトであったはずである。原爆のことよりも、B29による一般市民をふくんだ無差別爆撃の方が、日本にとっては大きなダメージであったと理解することもできよう。(ただ、無差別爆撃という攻撃法自体は、アメリカが始めたということではないのだけれども。)

80ミリの高角砲ではB29にとどかない。127ミリ連装高角砲が開発される。番組で映っていたのは、ナウルに残っている残骸の写真だった。これの実物は、もう日本国内には残っていないということなのだろう。

さて、戦争遺産島であつかったような遺跡は、残すべきなのだろうか。保存の処置を講じるべきか、あるいは、時の流れにまかせておくべきか。ここは、議論のあるところかもしれない。しかし、現在の時点において、確認できる範囲で、このような遺産については、記録を残し、後世に伝える必要はあるにちがいない。

2024年8月22日記
[テレビ]

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