「9.11 あの日が変えた私の人生」
2024-09-18


2024年9月18日 當山日出夫

映像の世紀バタフライエフェクト 9.11 あの日が変えた私の人生

憎悪の連鎖をたちきるにはどうすればいいか。個人のレベルとしては、不可能ではない。しかし、それが、国家とか民族という集団になるとどうなのか、ここのところが一番の問題にちがいない。

多くの場合、自分を被害者の立場におきたがることになる。そのことによって、人びとを結束させる。それも歴史の時間のとりかたによって違ってくる。パレスチナの人びとは、イスラエルの犠牲者である。だが、イスラエルの人びとは、長い歴史のなかでは抑圧されたユダヤ人の歴史を意識することになる。ウクライナとロシアと欧米、NATOのことを考えてみても、歴史のどの側面を見て言うかで、被害者の立場にたつこともあれば、逆に加害者の立場と見なされることもある。日本と韓国の関係についても、韓国はあくまでも被害者であったという立場をとり続けようとする(これは、歴史的にどうであったかを超越して、そうであらねばならないという理念が支配している。だから解決させてはならない問題としてあることになる。)

このようなことを思うのだが、しかし、個人のレベルで憎悪の連鎖に巻きこまれることを回避しようということは、価値のあることである。

番組のなかで触れていた、アフガニスタンやイラクでの戦争によって、PTSDとなった元兵士たちのことは、もっと大きく取りあげられていいことだと思う。このようなことは、ベトナム戦争後のこととしては、映画などの題材になってきている。さかのぼれば第一世界大戦のあたりから、戦争が兵士たちにどのような心理的影響を与えるのか、資料や記録などが残っているだろう。

そして、この問題は、現在のイスラエルやウクライナなどにおいても、深く考慮されなければならないことである。

最後まで見ることにしているが、協力として渡辺靖の名前があったのは、なるほどと感じる。

どうでもいいことかもしれないが、アメリカの二〇一一年の同時多発テロ事件のときの、WTCビルの崩壊の場面は、これまでに何度もテレビで見てきている。この映像を見ることによって、事件のことを思い出し、イスラムの人びとに憎悪感をいだく人びとがいてもおかしくないと思うのだが、こういうことは配慮していないようである。これは、日本での、二〇一一年の東日本大震災のときの津波の映像が、事実上、封印されてしまっていることを思うと、いずれについてもどうかなと思う。津波の映像記録は、それと予告したうえで時間を深夜にでも設定して、三月一一には放送していいことだと、私は思っている。

2024年9月12日記
[テレビ]

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