2024年12月8日 當山日出夫
ザ・ベストテレビ 「新・爆走風塵〓中国・トラックドライバー 生き残りを賭けて〓」
これは見た。そのときに思ったことは書いてあるので、そのまま以下に転記しておく。
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ラオスからチベットまで六日かけてバナナをトラックで運ぶというのが、近代的な生活であり経済ということなのだろうか。見終わって、ふと思わざるをえない。チベットでは、昔ながらの五体投地で巡礼する人のすがたもある。古代と現代が混在している。
中国の経済、特にその国内をささえるのは、トラック輸送であることは理解できる。どう考えても、鉄道では無理があるだろうし、無論、船は内陸奥地までは行けない。なるほど、これまでの中国の経済発展をささえてきたのは、このようなトラックによる流通があってのことなのかと、いろいろと興味深かった。しかし、それも、近年の中国経済の失速のあおりで、様々な困難があるらしい。
トラック輸送が個人もちのトラックに頼っているというのは、この番組で知った。日本なら、運送業者が引き受けるところである。しかも、その仕事は、今ではスマホで荷主と直接交渉になっている。これでは、デフレになったら、個人事業主ではひとたまりもない。
ラオスでバナナ農園を経営しているのは中国人。それを、中国国内まで運び、さらには、チベットまで運ぶ。その先の一帯一路の経済圏は、内陸のトラック輸送に依存することになる。
バナナ農園を探して行くときのシーン。日本なら、グーグルマップのデータを共有すればいいのかと思うが、それが出来ないらしい。トラックにもナビがついていないようである。これでよく仕事ができるのだろうかと、思ってしまう。(まあ、日本でも自動車にナビが標準でついていて、スマホで地図表示や案内が出来るようになったのは、近年になってからのことではあるが。)
おそらくは、この番組に出てきたような個人トラックが、調整弁となって経済の発展の浮き沈みをささえてきたのだろう。たぶん、これからもこの構造は変わらないかもしれない。今さら、大企業が運送業に手を出そうということはないだろう。
こんな広い中国とその周辺の地域で大量にトラックが走っていて、さて、カーボンニュートラルの議論は、どうなっているのだろう。
それにしても、道路網を整備し、また、それにともなってトラック輸送のためのガソリンスタンドとか、タイヤや自動車部品をあつかう商店や工場があることになる。このような全体的なインフラ整備を、中国はやってきたことになる。これはこれとして、すごいことかもしれないとは思う。
チベットまで行くとなると、当然ながらかなり高い標高になる。ラサで、三〇〇〇メートルを超える。富士山より高い。こんなところを走るトラックのエンジンはどうなっているのだろう。当然、酸素は少ないわけだからターボエンジンでないと難しいのかなと思うが、このあたりの技術的な説明はなかった。
寒くて凍ったエンジンをあためるのに、バーナーで火をあてるというのは、どう考えても乱暴というか、あきらかに危険である。タイヤもボロボロになるまで使っている。よくこんなトラックが走っているものかと感心するところもあった。途中で故障するぐらいならまだいい方で、下手をすると谷底に転落しかねない。実際、トラックの残骸が残っていた。
チベットについて、これが、現在の共産党政権になってから併合された経緯について触れてあったが、これは重要なことだろう。また、そのチベットを支配するために道路工事が必要であり、人民解放軍が多くの人的犠牲をはらって建設した、そう歴史があったことは、知っておくべきである。
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