Asia Insight 「地元住民が消える世界遺産の町 〓ラオス〓」
2025-01-16


2025年1月16日 當山日出夫

Asia Insight 地元住民が消える世界遺産の町 〓ラオス〓

中国からラオスまで高速鉄道が開通して、多くの中国人観光客がやってくる。昆明からラオスまで、三〇〇〇円ほどだという。中国の中間層にとっては、気楽にいける海外旅行先ということになるのだろう。

仏教寺院があり、そこの僧たちは毎朝托鉢する。寺院の周囲のひとたちは、朝早くおきて食事を用意して、托鉢の僧たちに布施をする。そのようにして、これまで、この街の人たちは生きてきたし、寺院も維持されてきた。

それが、中国人観光客がやってきて、托鉢僧への布施の「体験」が、旅行のパッケージになっている。道ばたに並ぶほとんどの人が、観光客である。どう考えてみても、ちょっとおかしい、まちがっている、と思うのだけれども、しかし、これも時代の流れということなのかと思う。

寺院の周囲の民家は、のきなみホテルに立て直されてしまい、そこにすむ古くからの住民が激減している。やはり、これはどこかおかしいと思うべきだろう。

若い僧の考え方にも影響を与えている。寺から学校に通って、卒業したら、僧侶にはならず、仕事をするという。番組のなかでは、エアコンの修理業と言っていた。今のラオスの人びとの価値観としては、これが具体的にイメージできる職業ということなのだろうか。これも、見ていて、中国の経済圏に飲み込まれてしまうことが、若い人たちの夢を奪っているように思えてならない。(たしかに、中国との交易で国の経済の発展はあったのだろうが。)

ラオスの街角の看板は、他言語表示であったが、中国語の他に朝鮮語(ハングル表記)もあった。日本語がなかったのは、日本からの観光客は英語で分かるということなのだろうか。

2025年1月12日記
[テレビ]

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