『とと姉ちゃん』「常子、竹蔵の思いを知る」
2025-06-22


2025年6月22日 當山日出夫

『とと姉ちゃん』 常子、竹蔵の思いを知る

青柳の家と小橋の家族にかつてどういうことがあったのか、徐々に明らかになっていくという展開であるが、この週の放送まででは、はっきりしたことは分からない。まだ、滝子と君子のわだかまりが融けたというわけではない。

最初の放送のときには、あまり気にしなかったことなのだが、このドラマでは、森田屋のお弁当の仕事とか、青柳の材木の仕事を、きちんと描いていると感じる。それぐらい、ここ最近の朝ドラでは、人が仕事をする場面を描かなくなってきている。

『おむすび』もそうだったし、『虎に翼』もそうだった。人が手を動かして仕事をしているシーンに、台詞を重ねるというのは、ドラマを作るとき、準備や演出に手間暇のかかることだと思うが、そのようなシーンがあってこそ、登場人物の語ることに説得力が生まれる。

森田屋での仕事として、ぬか床をかきまぜることとか、魚を焼くこととか、卵焼きを焼くこととか、お弁当屋さんの仕事としては、こういうことが背景にあってなりたっているということが伝わってくる。こういうのを見ていたからこそ、常子の戦後になってからの雑誌の仕事が意味をもってっくることになるのだろう。

青柳の番頭の隈井は、おっちょこちょいであるが、青柳の店のことと、常子のことを、何よりも思っていることは、確かなこととして伝わってくる。こういう脇役がいることで、安心して見られるドラマになっている。

2025年6月21日記

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