2025年7月10日 當山日出夫
ダークサイドミステリー 世界の怪鳥・聖鳥伝説を追え!〓ヤタガラスから翼竜生存説まで〓
再放送である。最初は、2024年4月2日。
鳥にかんするいろんな話題で構成した回である。
樋口広芳さんが出ていた。日本を代表する鳥の研究者といっていいはずである。書いた一般的な本のいくつかは読んだことがあるのだが、まさに、鳥の研究をするために生まれてきたような人だという印象がある。世の中の学者のなかには、その研究をするために生まれてきたという感じの人がいるものだが、その一人と思っている。
ヒッチコックの『鳥』のシーンから始まっていた。これは、少し前にNHKで放送したのを録画しておいて、まだHDに残っている。この映画で、私が一番印象に残っているのは、公園のジャングルジムの場面である。なにげない映像なのだが、たくみな演出と編集で、怖さを感じる。
古代からの神話などで、鳥、という生きものがいろんな場面で活躍しているのは、たしかなことである。やはり人間は、空を飛ぶということに、なにかしら神秘的なものを感じてきたのだろうと思うことになる。
私の知る範囲だと、日本語学の分野においては、鳥の鳴き声のオノマトペが面白い研究課題である。このことについては、山口仲美先生が第一人者である。
『古事記』『日本書紀』に八咫烏が出てくるが、足が三本とは記されていない。三本の足の八咫烏が、その後、どのように日本のなかで伝承として伝えられてきたのか、これはこれとして、興味深い研究テーマである。(きっと研究されていることであるにちがいないが。)
カラスはとても賢い。我が家の近くにもカラスはいっぱいいる。朝、暗いうちに起きると、今の季節だと、聞こえてくるのは、ホトトギスかさもなくばカラスである。池の鯉にエサをやりにいくと、待ち構えていて、鯉のエサを盗もうとする。だから、できるだけカラスがクチバシをのばしてもとどかないようなところに、エサを投げるようにしている。
世界の神話で、カラスにまつわるものが多いのは、その賢さもあるだろうし、黒い色ということもあるのかもしれない。さて、カラスは、なぜ黒くなるように進化してきたのだろうか。体が黒いことのメリットは何なのだろうか。
番組の中では言っていなかったが、どうしても気になるのは、どうして、(恐竜から)鳥は飛ぶように進化したのか、それでも、飛ぶことをやめた鳥(ダチョウのように)もいるのはなぜか、哺乳類でもコウモリのように飛ぶようになったものがいるのはなぜか、渡り鳥が長距離を移動するのはなぜか……というようなことである。
それにしても、プテラノドンの形をした模型飛行機を作って飛ばすというのは、面白いことかもしれないが、勘違いする人もいることを考えると、どうなのだろうか。個人の趣味としては、別に悪いことではないだろうが。勘違いする方が、馬鹿だったといわれればそれまでである。
番組では言っていなかったことだが、近年、スズメが減少しているということは気になる。昔は、京都の町でも、スズメ焼きを売っていたのだが、今はどうなっているのだろうか。
アメリカの創造博物館はとても面白い。進化論を信じる、信じない、これは個人の自由だと思うが、博物館まで作るということは、よほど強固に進化論を否定していることになるだろう。さらには、世界のいろんな国や地域で、進化論が一般の人たちにどのように受けとめられているのか、文化や社会との関連でどうなのか、これは面白い課題であると思う。
2025年7月6日記
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