サイエンスZERO「奄美大島“マングース根絶” 外来種にどう向き合う!?」
2025-07-19


2025年7月19日 當山日出夫

サイエンスZERO 奄美大島“マングース根絶” 外来種にどう向き合う!?

奄美大島のマングース根絶というニュースは、見た記憶があるのだが、あまり深く考えることもなく、そういうことになったのかと思っていた。しかし、この番組を見ると、いろいろ面白い。

内容の順序とは逆になるが、マングースがいなくなったということをどう証明するか、ということがとても興味深い。ただ、やみくもに罠をしかけて、それにかからなくなったというだけではない。もし、マングースがいて繁殖していれば、罠にかかる確率を計算する。そして、罠にかかっていないので、マングースがいない、ということがいえる。そのためには、マングースのホームレンジサイズ、その行動範囲ということになるのだろうが、これを確認しなければならない。だが、そのためには、マングースがいないと確かめられない。帰納的に考えようにも、その材料となるものが減ってしまっていては、どうしようもないことになる。そこで、まだマングースがいる沖縄で、マングースの糞の採取とDNA解析による個体識別で、ホームレンジサイズを推定する。このように考えると、マングースを根絶した宣言できることの背景が、非常に科学的根拠にもとづいていることが理解できる。

それにしても、20年にわたってマングースバスターズの仕事を継続してきたというのは、なかなかすごいことである。

報奨金で捕獲をうながそうとすると、効率的に捕まえられる場所に罠をしかけることになるので、根絶ということにはいたらない。(番組の中では言っていなかったが、最悪の場合、マングースを飼育して増やしてそれをお金にしようともくろむやからがでてきてもおかしくはない。)

供養碑があるのは、日本ならではのことだと思う。しかし、これを作るのに環境省の予算は使っていないという。これぐらい、国の予算で作ってもいいようなものであるし、博物館などで目につく場所にあってもいいようには思う。だが、やはり、こういうものは、ひっそりとあるべきかもしれないが。

2025年7月15日記

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