2009/01/29 當山日出夫
情報処理学会(人文科学とコンピュータ研究会)のつづき。
小特集ワークショップ、ディスカッションとなっているが、
(7)「知の集積と共有」の変革期に”じんもんこん”がなしうること
(8)討論「知の集積と共有」の変革期に”じんもんこん”がなしうること
ともに、後藤真・永崎研宣の両名。
さて、このコメントはむずかしい。このテーマについては、私は、かなりの程度で、当事者である、から。
とはいえ、基本的には、第一線からは隠居(引退ではない)気分。ここは、後藤さん・永崎さんのような、若い次世代の人たちに中心になってもらいたい。
「明窓浄机」(はてな)の方に書いておいたように、大学教育、また、人文学が、危機的状況にある。端的に言えば、昔のようにはもどせない、ではどうするか、デジタル技術による、人文学知の再構築しかない、であろう。この覚悟あるいは「あきらめ」のところからスタートするほかはない。
明窓浄机 2009-01-15
デジタルで人文学はどうなるか
会場で、永崎さんから、「標準化」についてどう思うか? と、集まった全員に問いかけがあった。私は、即座に、標準化についてはOKの挙手をした。たしかに、人文学においては、標準化、は難しい。あいつと違うことを、研究しているから、自分の研究価値がある、という世界なのであるから。
だから、一概に「標準化は無理」とすることはない。暗黙知としての共有するところがあるからこそ、自分は違う、と主張できる。そして、この暗黙知ほど、デジタルにそぐわないものはない。
しかし、もはや、われわれは、この認識(デジタル人文学への可能性)から、スタートする以外に選択肢はない。
當山日出夫(とうやまひでお)
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