2009-10-28 當山日出夫
tanemoriさんのコメントについて、少し考えてみる。
本は地域にあるべき
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のコメントのなかで言及のポット出版のブログ
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http://www.pot.co.jp/matsukuro/20091026_020453493914786.html
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ここをざっと読んでの感想をいえば、MLAの役割が錯綜している。
M=ミュージアム 博物館・美術館
L=ライブラリ 図書館
A=アーカイブズ 文書館
これを総称して「MLA」という。この連携がうまくいっていないことが、日本の問題としてある。さらにいえば、そもそも、近代的な「A(アーカイブズ)」の概念が、確立していないし、社会的に認知されていない。
郷土資料といった場合、これは、MLAがどのように分担すべきことなのか、このあたりの議論の整理がまず必要だろう。
一般論としては、図書館の蔵書の管理の問題。単に、書庫(倉庫)を建てて、不要になった本(かもしれないが、将来、ひょっとすると必要かもしれない)を、とありえず保管しておく。これは、そんなにコストのかかることなのだろうか。よしんば、コストがかかったとしても、世の中から消えてなくなってしまった本を復元する(再刊する)コストに比較すれば、安いものであろう。
また、一方で考えるべきことは、郷土資料館、公文書館、というものの機能である。図書館が、なにもかもかかえこむことはない。文書館をつくって、そこで管理すべきもののあるはずである。あるいは、博物館の方が、適当という資料もあるだろう。
図書館の蔵書管理、不要になった本の廃棄処分は、MLA連携がうまく機能していない不幸なのかもしれない。
そして、最後に言っておかねばならないこと。図書館が、本を廃棄するならば(それはやむをえないとしても)、誰がその決定を下したか、そして、そのリストはどうであるのか、きちんと記録を残さなければならない。図書館の、業務としてのアーカイブズである。このことにかかるコストを惜しむべきではない。
ライブラリにはライブラリの使命がある。そして、その使命をはたすために、ライブラリのアーカイブズが必要なのである。
當山日出夫(とうやまひでお)
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