『輝ける碧き空の下で』北杜夫
2019-09-06


さらに書くならば、この小説に登場するのは、主に、移民の一世の人びとである。その苦労は、並大抵のものではない。しかし、それが、悲惨な印象をもつことなく、場合によってはユーモラスな雰囲気さえ感じさせる描写になっているのは、やはり北杜夫の作品だけのことはあると感じる。それから、この小説に登場するブラジルの自然描写が美しい。壮大であると同時に、純情とでもいうべき感覚で、自然が描写される。このあたりも、北杜夫ならではの作品である。

さて、この作品の「第二部」があるのだが(買ってはあるのだが)、読むことになるかどうか、ちょっと微妙な感じでいる。

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