2021-04-24 當山日出夫(とうやまひでお)
NHK プロジェクトX 4Kリストア版 「執念が生んだ新幹線」
続きである。
やまもも書斎記 2021年4月17日
プロジェクトX「東京タワー・恋人たちの戦い」
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新幹線が開業したときのことは、かすかに記憶にある。これは、ちょうど東京オリンピックの時だった。その後、始めて新幹線に乗ることがあったのは、大学受験のために東京に行ったときだったろうか。その後、新幹線には、年に数回は乗ってきたように思うが、ここ二年ほどはまったく乗っていない。COVID-19のため、学会などが、すべてオンライン開催になってしまって、東京に行くことがなくなったせいである。
新幹線が、旧日本軍の技術の継承のうえに作られたということは知っていたが、具体的に、どのような技術をもとにしているかは、知らなかった。なかでも、感慨深いの、桜花のこと。
靖国神社の遊就館に行くと、桜花が展示してある。(これも、今では、どうなっているか最新の事情は知らないのだが。)桜花という特攻兵器は、まさに人道に反しているとしかいいようがないだろう。搭乗したら最後、絶対に生還することはできない仕組みになっているのだから。
このプロジェクトXという番組、二〇〇〇年の放送であるが、その当時の普通の人びとの生活のなかにあって、なじみのあるものを取り上げていたように思う。そのいくつかの放送は見た記憶があるのだが、私が一番印象に残っているのは、炊飯器の開発である。これは、商品化したのは東芝であったことは知っていたが、その開発にあたったのは、小さな町工場であり、そして、その実験データを集めたのは、その奥さんの献身的な努力によるものであることは、感動的であった。
ところで、新幹線であるが、これも、今の日本の人びとの生活のなかになくてはならないものになっているだろう。その開発秘話として、それなりに面白いものであった。
が、次の新幹線に代わるもの……リニア新幹線ということになるのだろうが、どうもこれについては、社会的にあまり評判がよくない。開業になっても、たぶん、私は乗ることがないだろうと思って見ている。これも、その開発の背景には、様々なドラマがあることにはちがいない。
それから、やはり考えてみるのは、技術というものの価値中立性。戦時中の軍の研究を基礎として、新幹線ができた。では、その技術は、戦争というものから独立して価値中立と純粋にいえるのだろうか。このあたりは、技術、あるいは、科学と、社会のあり方をめぐって、さまざまに議論のあるところだろうと思う。
さて、私が、次に新幹線に乗れるのは、いつのことになるだろうか。今のところ、まったく予測がたたないでいる。若いころは、新幹線のなかでは本を読んでいた。東京〜京都の間で、新書本の一冊ぐらい読めたものである。このごろでは、iPodで音楽を聴いている。
プロジェクトXは、次週も再放送があるようだ、楽しみに見ることにしよう。
2021年4月23日記
追記 2021-04-30
この続きは、
やまもも書斎記 2021年4月30日
プロジェクトX「えりも岬に春を呼べ」
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