2021-04-25 當山日出夫(とうやまひでお)
『おちょやん』第20週「何でうちやあれへんの?」
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前回は、
やまもも書斎記 2021年4月18日
『おちょやん』あれこれ「その名も、鶴亀新喜劇や」
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この週の最後で、千代は一平と別れて姿を消した。どこへいったのだろう。
ともあれ、一平が悪いといってしまえばそれまでである。だが、一平についても、同情すべき点がないではないと思う。
一平は、家族というものを知らずに育ってきた。千代と一緒になることになったが、劇団の座長であり、また、作者として仕事に追われている。新作も、どうもうまくいっていないようだ。スランプにおちいった一平が、ふらりと灯子にひきよせられることがあったとしても、ある意味で、これはこれなりに、一つの人の心の流れなのだろうとは思う。
とはいっても、子どもまでできてしまった以上、もはや一平に言い逃れの道は残っていない。それについて、千代は見切りをつけることになる。
この週の展開で、巧いと思ったのは、最後に千代と灯子の会話のところ。千代は、ことばとしては、灯子の幸せを願っているようである。だが、そのこころのうちには、鬼がひそんでいる。本当に灯子と一平、そして、その子どもの行く末の幸福を願っているのだろうか、こころの闇がのぞくことになる。
また、この週の展開も、劇中劇の使い方がたくみであった。「お家はんと直どん」の芝居の場面であるが、そこに千代と一平の関係が投影されている。芝居の演技を通じて、それぞれの気持ちがにじみ出ていた。このあたり、脚本、演出、演技のたくみさを感じる。
次週、行方をくらました千代はいったいどうなるのであろうか。このドラマも、あと残りわずかということになってきた。これからの展開を楽しみに見ることにしよう。
2021年4月24日記
追記 2021-05-02
この続きは、
やまもも書斎記 2021年5月2日
『おちょやん』あれこれ「竹井千代と申します」
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