100分de名著「司馬遼太郎“覇王の家” (4)後世の基盤をどう築いたか」
2023-08-30


2023年8月30日 當山日出夫

100分de名著 司馬遼太郎“覇王の家” (4)後世の基盤をどう築いたか

ちょうど『どうする家康』では、石川数正のことが出てきていたので、これを思い合わせてなかなか面白かった。ひょっとする、徳川家康のことを考えるうえで、石川数正という人物は、きわめて重要な位置にいることになるのかもしれない。

番組で出てきていたことばに「三河かたぎ」がある。このことばで徳川家康を考えることは、たしかに一つの方法だろう。三河かたぎが、江戸幕府をつくり、そして、近代以降の日本の国のあり方にまでおよんでいる。

これは、司馬遼太郎の書いたものを読むとよく出てくる発想である。「〜〜人」という類型化が、司馬遼太郎には多くある。読んでいて、そんなに人間というものは、類型的に捕らえることは出来ないものだろうと、私などは思ってしまう。だが、「〜〜人」という類型で説明されると、分かったような気になることも確かなことである。

司馬遼太郎については、賛否両論あるだろうと思う。しかし、司馬遼太郎は、自身の戦時中の体験から、日本の国のあり方、日本人というものを考えてきた人であることは確かである。その考え方に批判的であるとしても、昭和の時代の作家として司馬遼太郎がいたということは、重要なことであると思う。

2023年8月29日記
[テレビ]

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