『村上朝日堂 はいほー!』村上春樹
2019-09-26


2019-09-26 當山日出夫(とうやまひでお)


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村上春樹.『村上朝日堂 はいほー!』(新潮文庫).新潮社.1992 (文化出版局.1989)
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続きである。
やまもも書斎記 2019年9月21日
『最後の瞬間のすごく大きな変化』グレイス・ペイリー/村上春樹訳
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やまもも書斎記 2019年9月20日
『村上朝日堂の逆襲』村上春樹・安西水丸
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ここに収録の文章は、1983年から『ハイファッション』に掲載されたものを中心に、取捨選択し、いくつかの文章を加えたものである。長編作品としては、『羊をめぐる冒険』から『ノルウェイの森』の時期ということになる。

このようなことを思って読むせいでもあろうか、やはり、村上春樹の長編作品の背景にある、いろんなものの考え方、感じ方、というようなものをどことなく感じる。その一方で、ただ、楽しくてこのようなエッセイを書いているのだろうと、感じさせるところもある。

一箇所だけ引用しておく。

(貧乏について語ったところで)「……それはすごく楽しかったのだ。それは昔のことだから楽しいというのではない。それは金とは関係のないことなのだ。それはいわば想像力の問題なのだ。想像力というものがあれば、我々は大抵のものは乗り切っていけるのだ。たとえ金持ちであろうが貧乏であろうが。」(p.201)

村上春樹の文学を理解するうえで、(これは、特に村上春樹に限ったことではないのだが)、「想像力」が重要である。そう思ってよむと、『ノルウェイの森』など、まさに文学的想像力を大胆に喚起する作品であるといえるだろう。

追記 2019-09-28
この続きは、
やまもも書斎記 2019年9月28日
『その日の後刻に』グレイス・ペイリー/村上春樹(訳)
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追記 2019-10-03
この続きは、
やまもも書斎記 2019年10月3日
『遠い太鼓』村上春樹
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[文学]

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